視察報告 富山県氷見市は体育館を庁舎に!

 氷見市では、等級化と耐震性に課題のあった市庁舎について、防災、市民サービス、財政負担の三つの視点から複数案を比較検討しました。その結果、新築ではなく、旧県立高校の体育館を改修して庁舎として活用する方法を選択しています。これにより建築費を大幅に抑えながら、窓口の集約や駐車場不足の解消、災害時の拠点機能強化など、抱える課題を同時に解決しました。

この事例が示すのは「新しく建てる」だけが最善ではないという点です。目黒区にも老朽化した公共施設が多くあります。今後の更新や再編にあたっては、かける費用に対してどれだけ区民の利便性や安心につながるのかを、丁寧に見極めることが重要です。また、施設を減らすことだけを目的とするのではなく、行くだけでもワクワクするような施設とは何かを考えることも大切です。複数案を示したり、ワークショップを開催したり、区民の声を聞きながら進める姿勢こそが、納得感ある公共施設づくりにつながると考えます。

体育館を転用した市役所は天井が高いため熱効率が悪いので、布製の天井を設置している