松葉のダイオキシン・環境調査スタート集会 in キャロットタワー
2024年4月6日 松葉で環境を考える会主催
講師:中下裕子さん 弁護士、NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議代表理事 有害物質から子どもを守るネットワーク(子どもケミネット)代表世話人
池田こみちさん (株)環境総合研究所
Part.1有害物質から子どもを守るために
体が小さく、発達過程の子どもは大人よりも化学物質の影響を受けやすいことが中下さんの体験と海外の調査結果を踏まえてお話しくださいました。子どもは身の回りにあるプラスチック類からの暴露や農薬を知らないうちに体に取り込んでしまうことで体や神経系統に影響を受けてしまいます。海外では禁止されている化学物質も日本ではおもちゃへの表示もないという実態を知りました。国際プラスチック条約策定に向けたアプローチも運動として行っており、なるべく有害化学物質の規制を実現しなくては、と強く思いました。
Part.2 食べ物は選べるけれど、空気は選べない!
クロマツの針葉を生物指標としたダイオキシン類調査
池田こみちさんからは、当初、ダイオキシン問題は原因不明だったが、焼却場の周辺住民の健康被害が深刻であり、調査したことから焼却由来であることが明らかとなったこと、そのために排ガスなどの法整備が進んだこと、なぜ、クロマツ大気汚染調査に適しているのか、を伺いました。EUではごみの分別が進み500あまりの焼却炉しかないのに日本全体で1028施設、東京23区だけでも24施設もあるのです。煙突からでる排ガスにはダイオキシン類をはじめ他の有害化学物質も排出されています。基準値内とは言え、排ガスの濃度が薄いほど体に取り込みやすく蓄積しやすいそうです。煙突から出る排ガスは、地形や風向きに影響されやすく、焼却炉がない地域でも汚染の影響があるようです。その大気汚染の実態を調べるには脂質の多いクロマツが適しているとのこと。23区南生活クラブ生協が続けてきた「松葉のダイオキシン調査」は、大気の状態を明らかにした調査であり、続けていくことの大切さがわかりました。
今年の「松葉のダイオキシン調査」は11月から始まります。2019年から5年ぶりの調査活動であり、コロナ禍の影響でプラスチックの使い捨て容器などが増えていることから、大気汚染が進んでいるのではないでしょうか。前回調査との変化を知る機会となります。調査開始までに学習会を重ねていくとのことですので、また、参加したいと思います。